「オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレム シーズン4」の登場人物を紹介します。
オスマン帝国外伝もいよいよ最後のシーズン。物語は完結します。スレイマンたちが晩年にさしかかり、後継者争いが物語の中心になります。スレイマン本人よりも子どもたちの話が多くなるのも特徴。新しい登場人物も多いです。
ネタバレ要素も含まれているので先のことを知りたくない方は注意してください。
シーズン4で描かれる時代はリュステムが大宰相になったあと。セリムがマニサに赴任する前なので1544年ごろ。
シーズン3のラストがメフメド死亡した1543年。シーズン3ラストとシーズン4はあまり時間はたっていません。でも同一人物でも交代した俳優さんが何人かいて登場人物は急激に歳をとった印象を受けます。
名前の日本語表記・肩書はできるだけドラマの字幕に合わせています。
主要人物
皇帝 スレイマン1世
オスマン帝国第10代皇帝。領土を広げ法律をつくりオスマン帝国の最盛期を作った人。トルコの歴史では偉大な皇帝として知られています。遠征好きで何度も外国と戦って領土を広げました。その一方でハレムでは問題が多く、ハレムの人々が政治に口出しするきっかけを作ったともいわれます。詩が大好き。ムヒッピー(恋する者)というペンネームで詩を書いていました。
兵士たちに人気のあるムスタファを警戒して処刑。セリムとバヤジトの争いではセリムに味方してバヤジトを討たせます。晩年は衰えて宗教にはまっていたともいれます。ハンガリー遠征の途中で病死。
シーズン4ではメフメドの死を悲しみ無気力な状態で登場。ヒュッレムの死後さらに落ち込み、持病の痛風もひどくなり部屋にこもりがちに。しかし病気の身体で最後の遠征を決意。ハンガリーとの戦いの最中に倒れ帰らぬ人に。スレイマンの死後、セリムが即位したところでドラマのエンディングを迎えます。
皇帝妃 ヒュッレム
本名はアレクサンドラ・アナスタシア・リソフスカ。
ルテニア地方(現在のウクライナ)出身。故郷がクリミア・タタール人に襲われ奴隷として売られ宮廷に来ます。イスラム教に改宗してヒュッレムと呼ばれました。
スレイマンの寵愛を独占。ハセキ・スルタン(ハレムのトップ)になります。政治にも口を出して「スレイマン皇帝が魔法にかけられた」といわれるくらい影響力をもちました。4男1女を出産。
シーズン4ではいよいよムスタファ殺害を計画。数々のライバルを排除。ところがセリムとバヤジトが争い始め、自らも病になり死亡。
シーズン3途中までヒュッレムを演じていた メリエム・ウゼルリ(1983年生)さんが健康上の理由で休養にはいりました。そのため ヴァヒデ・ペルサン(1965年生) さんが演じています。見た目はシーズン3までのヒュッレムが歳をとったかのようです。スレイマンはもともと老けていますし、子どもたちも大きくなりました。孫もいます。史実では53~6歳くらいまで生きたので設定通りの見た目かもしれません。
皇帝妃 マヒデブラン
マヒデブランは「美しい人」という意味。ギュルバハル(春の薔薇)の別名も持ちます。スレイマン1世の夫人。ドラマでは2人め(歴史上は3人目)の夫人。シーズン4では息子ムスタファが処刑され、マヒデブランも宮殿を追い出されます。その後は貧しい生活をおくりました。
死亡間際のヒュッレムと対面。その後はブルサで暮らしました。
マヒデブラン役のヌル・フェッタホールさんは1980年生まれ。シーズン4公開時の2013年には33歳。実はムスタファ役のメフメト・ギュンシュル(1975年生まれ)さんよりも若い。
皇族
スレイマンの子どもたち
皇子 ムスタファ
スレイマンとマヒデブランとの間に産まれた唯一の皇子。後継者としてスレイマンからの信頼も大きかったのですが。ヒュッレムやリュステムの策略や父との意見の違いで次第に親子の仲が微妙になってきます。歴史上は兵士たちに人気のある皇子でした。
シーズン4では自らの結婚問題でスレイマンから嫌われ、ヒュッレムやリュステム、ミフリマーフに陥れられ謀反の疑いをかけられ、父スレイマンの命令で処刑されます。
皇女 ミフリマーフ
スレイマンとヒュッレムの間に産まれた皇女。17歳でリュステムと結婚します。このときリュステムは39歳。22歳の年の差婚です。
シーズン4では皇帝スレイマンにも影響力を持ち後継者争いにも関わってきます。
ドラマではリュステムとの愛のない結婚に不満をもっています。離婚したいとさえ思っています。若い医者ペドロが好きになりますが様々な事情で実現しません。バヤジトのリュステム殺害に協力。その後はバヤジトを殺害したセリムに不満を持ちます。ラストではセリムの即位後、エディルネ宮殿に移ります。
歴史上はリュステムとの仲は悪くなかったようです。慈善事業にも熱心でした。セリム2世即位後は事実上のヴァリデスルタン(母后)としてハレムのトップにいました。
皇子 セリム
スレイマンとヒュッレムの間に産まれた2番目の皇子。
後の皇帝セリム2世。弟のバヤジトとは仲が悪い。
メフメドの死後、マニサの知事になります。ムスタファの死後はバヤジトと王位争いをして勝利。シーズン4の最後で皇帝セリム2世として即位します。
皇子 バヤジト
スレイマンとヒュッレムの間に産まれた3番目の皇子。すぐ上の兄セリムとは仲が悪い。ドラマでは問題行動が多く、ムスタファと親しくしているのでヒュッレムから見切りをつけられてしまいます。ヒュッレムの死後は兄弟の争いが激化。セリムに破れたバヤジトはサファビー朝に亡命。しかしオスマン帝国から圧力をうけたサファビー朝によって処刑されます。
歴史上はメフメト亡きあとヒュッレムから期待されていた皇子でした。
皇子 ジハンギル
スレイマンとヒュッレムの間に産まれた4番目の皇子。病弱です。ムスタファとは仲がよく、ムスタファの処刑にショックを受けて病気が悪化。死亡しました。
スレイマンの姉妹
皇女 ファトマ
スレイマンの妹。バツイチでカラ・アフメド・パシャと結婚。カラ・アフメド・パシャはイエニチェリ指揮官をしたこともある軍人兼宰相。ムスタファ派でした。カラ・アフメド・パシャが処刑された後、宮殿を追放されます。
シーズン4ではヒュッレム最大の敵として登場。ドラマでもカラ・アフメド・パシャ失脚後に追放されます。イランのアルカス王子との恋愛は作り話。
・ファトマ・スルタン|ヒュッレム最後の敵は3度の結婚をした?
トプカプ宮殿の人々
ナーゼニン
架空の人物。本名はヴァレリア。スレイマンの側女。ラジー・スルタンの母親。ヌールバーヌーのもと従者ですがファトマの計略でスレイマンの側女に。ヒュッレム登場後の側女にしては珍しく子供を出産します。当然ヒュッレムが放っておくはずもなく・・・
ギュルフェム・ハトゥン
スレイマンの側女。ドラマでは1人目(歴史上は2人目)の妃。王子を出産したものの幼い頃に死亡。シーズン4のギュルフェムは、ヒュッレムとの関係は多少は改善。アフィフェの死後、ハレムの管理人になります。しかし、多くの人を殺したスレイマンを恨みスレイマンを殺そうとしますが・・・
アフィフェ
皇帝の乳母でスレイマンの信頼も厚い。ハレムの管理職は架空の人物が多いですが、珍しく実在の人物。高齢のためシーズン4途中で死亡。
スンビュル
宦官長。ハレムで側女達をまとめる役人。ヒュッレムたちの間に挟まれていつも苦労しています。物語中盤で引退。コーヒー店を開きます。
ムスタファの家族
ミフリュニーサ
海軍提督フズルの娘。ムスタファの妻。皇子メフメドが生まれます。ムスタファの死後、ヒュッレム達の前で自殺しました。架空の人物。
歴史上は皇子メフメトを産んだのはルメイサ。
ルメイサ
ムスタファの側女。歴史上はムスタファのハレムでは最も影響力をもっていた女性といわれます。ドラマではミフリュニーサがムスタファの妻になったのであまり目立ちません。
アイシェ
ムスタファの側女。
皇女 ネルギシャ
ムスタファとアイシャの娘。
セリムの家族と使用人
ヌールバーヌー
本名はチェチーリア。海賊に拐われてハレム入りしたベネチアの貴族の娘。ヒュッレムに気に入られセリムの側女になります。
歴史上はセリム2世時代のハレムで大きな権力を持つ人物。第2のヒュッレムといえる人物。
ムラト皇子
セリムとヌールバーヌの息子。後の第12皇帝ムラト3世。
ジャンフェダ・ハトゥン
ヌールバーヌの使用人。
ガザンフェル・アガ
セリムの侍従
バヤジトの家族
フーリジハン
大宰相イブラヒムと皇女ハティジェの娘。ファトマにつれられてイスタンブールにやってきました。バヤジトと恋におちます。
オルハン皇子
バヤジトの息子。父とともに処刑されました。
オスマン帝国の政治家・役人
リュステム・パシャ
ヒュッレムの娘ミフリマーフと結婚。ムスタファの処刑など、数々の政敵の追い落としに暗躍。
シーズン4では大宰相になりました。ドラマではミフリマーフとの仲はあまり良くありません。セリムとバヤジトの争いではバヤジトに味方します。ところが浮気をセリムに知られセリムの味方に。最後は裏切りを知ったバヤジトによって殺害されます。
カラ・アフメド・パシャ
皇女ファトマの夫。軍を率いていたこともあり、イエニチェリ(常備歩兵団)に支持者が多いです。ムスタファの処刑に怒った軍を率いてスレイマンに抗議。リュステムを失脚させて大宰相になります。2年後。リュステムが訴えたため処刑されました。
フズル・ハイレッディン提督
オスマン帝国海軍提督。キリスト教国ではバルバロス(赤ひげ)のあだ名で恐れられました。シーズン4序盤で病気になり療養生活にヒュッレムとリュステムに毒殺されます。ミフリュニーサという娘がいてムスタファと恋仲になります。歴史上はフズルに娘はいません。
マトラークチェ
宮廷史家。歴史書の編纂や記録用の絵画をかいていたオスマン帝国の役人。意外ですが棒を使った武術も得意。
出身国のボスニアでは有名な人物。ボスニアのレオナルドダヴィンチといわれます。
セミズ・アリ
バヤジットの支持者。リュステム死後の大宰相。
ソコルル・メフメト・パシャ
フズル提督死後の新しい海軍提督。スレイマン1世晩年からセリム2世時代の大宰相。
タシュルジャル
オスマン帝国軍人であり詩人。ムスタファの支持者。歴史上はムスタファ死後。ムスタファを追悼する詩を作ったため地方に左遷されました。
エブッスード・エフェンディ
スレイマンが信頼するイスラム教の法学者。オスマン帝国の法を整備した人物。
シナン
リュステム・パシャの弟。海軍提督。
オスマン帝国の人々
ミマール・シナン
オスマン帝国で有名な建築家
ザール・マフムート
リュステムの手下
他国の人々
アルカス王子
サファヴィー朝イランの王子。兄タフマースブ1世に謀反をおこしてオスマン帝国に亡命。スレイマンの力を借りて王になろうとしますが。ファトマ皇女のことが好き。
ドラマの演出は面白くしているので歴史と違うこともあります。
背景がわかってるともっとドラマが楽しめるのは間違いありませんよ。
コメント