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オスマン帝国皇帝スレイマンとヒュレムが登場するドラマと漫画を比較

オスマン帝国外伝

「オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレム」が日本でも公開されトルコに関心が集まっていますね。

オスマン帝国外伝の主人公・スレイマン1世とヒュレムの話はドラマで始めて知った人も多いと思います。でも、もともとトルコやヨーロッパでは有名な人物でした。

でも日本にもスレイマンとヒュレムを扱った作品がありました。篠原千絵の漫画「夢の雫、黄金の鳥籠」です。

登場人物も描かれた時代もほぼ同じです。

でも、ドラマも漫画もフィクションですから作者や演出家によって脚色された部分があります。そこでドラマ「オスマン帝国外伝」と漫画「夢の雫、黄金の鳥籠」が史実とどこが違うのか、2つの作品はどこが誓っているのかを紹介します。それぞれの特徴を知るとドラマや漫画がもっと面白くなりますよ。

目次

ストーリー上の違い

オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレム

ドラマ「オスマン帝国外伝」は2011年~2114年まで放送された。トルコ共和国のTVドラマ。
シーズン1からシーズン4までが制作され完結しています。
シリーズ合計すると1話90分!が139話という大長編ドラマ。

日本では2018年現在、シーズン2までが放送されました。1話を2話分に切って50分枠に収まるように編集されたものが放送されています。

皇太子スレイマンの即位から死亡までを描きます。タイトル(原題は”Muhteşem Yüzyıl=壮麗な世紀”)やストーリーをみると主人公はスレイマン1世のようです。でも目立っているのはヒュレム。

スレイマンとヒュレム以外にも、周囲の人々の恋愛も同時進行。オスマン帝国の宮廷で繰り広げられる群像劇になってます。

劇中でオスマン帝国やハレムの説明がありません。なぜ皇帝妃が何人もいるのかとか、皇后と皇帝妃の違いとか。側女の中にも部屋を持っている人といない人がいるのはなぜかとか。オスマン帝国のことを知らない日本人には分かりづらい面もあります。

大人向けのドラマらしく、かなりドロドロ感があります。

ちょっと気になったのが即位したばかりの25歳のスレイマンが既に中年に見えること。全体的に役者の年齢が高いようにも思えます。

夢の雫、黄金の鳥籠

漫画「夢の雫、黄金の鳥籠」は小学館の「姉系プチコミック」で連載。単行本はフラワーコミックαより発売されている漫画。2010から連載が始まりました。2018年12月時点で12巻まで発売されています。ストーリーの進展が遅くまだ完結していません。

主人公はヒュレム。
ヒュレムがさらわれてオスマン帝国に来るところから始まります。終始、ヒュレム視点でストーリーが進行します。

少女漫画らしく夢見がちな少女が成長して理想を実現しようと努力する漫画といえます。

オスマン帝国の制度やハレムの事情の説明が入るのでわかりやすいです。

少女漫画なのでスレイマンもイブラヒムも美形。ときどき周囲の人の描き方が雑になることはあります。

キャラクターの描かれ方の違い

以後「オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレム」を「ドラマ」。「夢の雫、黄金の鳥籠」を漫画と書きます。

皇后ヒュッレム

オスマン帝国皇后(ハセキ・スルタン)。皇帝スレイマンの寵愛を独占。奴隷からハセキ・スルタンへと上り詰めます。ハセキ・スルタンになったあとはライバルを追い出し事実上一夫一婦制を実現するなど、イスラム社会では異色の人物。そのため古くからイスラム社会やヨーロッパで関心を集め様々な物語が作られてきました。ヨーロッパでは「ロクセラーナ(ルテニア人の女)」として知られます。

ドラマでは

本名はアレクサンドラ。ルテニアの司祭の娘。クリミア・タタール人に襲われ奴隷としてオスマン帝国宮廷に売られる。皇帝の寵愛を集め地位を維持するためライバルは容赦なく消していきます。自分に非があっても一切認めない、マヒデヴランや母后とも対立。かなり強気な人物として描かれます。しかし感情的になるだけではなく、勘が鋭く頭がいい策略家の一面もあります。イブラヒムとは常に敵対関係。レオという婚約者がいたもののイブラヒムに見つかって死亡します。ドラマの日本語訳では皇后(ハセキ・スルタン)という言葉を使わず「皇帝の正妻」とよぶことが多いです。

地位と劇中の呼び方:大部屋の側女(ジャリエ)~個室付側女(イクバルに相当)~皇帝妃(カドゥン)~皇后(ハセキ・スルタン)

漫画では

本名はアレクサンドラ。ルテニアの農村産まれ、司祭の娘。タタール人に囚われ奴隷として売られていたところをイブラヒムに買われて宮殿に献上されます。イブラヒムに買われて皇帝に献上されるのは史実通り。宮廷に来るまでのいきさつはドラマよりも漫画の方が史実に近いです。

助けてくれたイブラヒムに恋するのがドラマとは大きな違い。やがてイブラヒムと密通。子供のメフメトがどちらの子か悩む場面も。メフメトの扱いをめぐってイブラヒムと疎遠に。

夢見がちだった少女が厳しいハレムの現実を知り、争いのない理想のハレムを作ろうと努力します。ギュルバハル(マヒデブラン)とは対立を避けていましたが、殺されそうになり宣戦布告。正義感が強く性格的にはドラマとは正反対です。

そのため対立する者を消すためにシャフィークという汚れ役を引き受けるキャラが用意されています。

地位と劇中の呼び方:個室付きの妾(ジャリエ)~第二夫人(イキンジ・カドゥン)

ヒュッレムについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
ヒュッレムはオスマン帝国で奴隷から皇后になった女性

皇帝スレイマン1世

オスマン帝国第10代皇帝。オスマン帝国の全盛期を作った偉大な皇帝として知られます。その一方でハレムの住人が政治に口を出すきっかけを作ったとも言われます。

ドラマでは

世界の王としての自覚をもちつつもヒュレムにはかなり甘い。宝石加工の趣味がある。自らを「ムヒッピー(恋する人)」と名乗る詩人の一面も。ちなみにムヒッピーと名乗って詩を作ったのは事実。

25歳の皇太子時代から72歳で死去するまで同じ人物が演じているため、シーズン1では設定年齢よりも見た目が老けている。でもスレイマン1世を演じるハリット・エルゲンチュは1970年産まれなのでシーズン1撮影時はほぼ30歳!年齢的にはミスキャストではないですが、俳優さんは老け顔なんでしょうか?

漫画では

ヒュレムを面白がってはいますがそれほど執着を見せません。むしろイブラヒムとホモ関係にあるのかと思えます。金髪で長髪の美形。

スレイマン1世が慣例を破りヒュレムに特別な待遇を与えたのは歴史的事実です。ドラマでは「ヒュレムへの盲目的なまでの愛情があるから」となってますが、漫画ではそれほど愛情を持っているようには見えず、特別扱いした理由がちょっと曖昧です。

スレイマン1世について詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
スレイマン1世・オスマン帝国の黄金時代を作った壮麗帝

大宰相イブラヒム

スレイマン時代の大宰相。デヴシルメ(徴用)によりギリシャのパルガ地方から連れてこられスレイマンの小姓になります。大宰相となって絶大な権力を手にしますがサファビー朝ペルシャとの戦争後、処刑されます。パルガル(パルガ人)のあだ名があります。歴史上はムスタファ皇子を次の皇帝にしようと支持していました。

ドラマでは

ギリシャのパルガ出身。漁師の息子で本名はテオ。父と双子の兄がいます。

徴用された後、裕福な夫人に教育を受け皇太子時代のスレイマンの小姓になります。スレイマンが即位後、小姓頭、大宰相と出世。皇女ハティジェと恋に落ち結婚。しかし女官のニギャールを妾にします。

アルヴェーゼ・グリッティや宮廷史家マトラークチュと仲がいい。二人とも実在の人物です。

普段は冷静だがときどきキレる。大宰相になったあと野心的になってスレイマンから忠誠心を疑われる場面もあります。

漫画では

ギリシャのパルガ出身。マテウス・ラスカリスと名乗る。
奴隷として売られてきてスレイマンの小姓になります。髪と瞳が黒い美形。奴隷商人のもとから逃げ出したアレキサンドラを助けたことで縁ができ、奴隷商人からアレキサンドラを買い取ります。その後、アレキサンドラを教育してヒュッレムと名付けスレイマンに献上。しかし密通することに。ヒュレムが産んだメフメトを不義の密通で産まれた自分の子供かもしれないと思い、可愛がろうとしません。

皇女ハティージェと結婚しますが特に仲がいいわけではありません。スレイマンが進めた政略結婚に従います。

イブラヒムについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
イブラヒム・パシャ:スレイマンに寵愛されて捨てられたオスマン帝国大宰相

第一夫人マヒデヴラン

歴史上はスレイマンにとって3人目の夫人(カドゥン)。ギュルバハル(春のバラ)の愛称を持ちます。息子のムスタファを産んだことから第一夫人のちいを得ます。ムスタファを守ろうとしますがムスタファの死後、王宮を追放されます。

ドラマでは

劇中の字幕では「皇帝妃」と呼ばれています。物語当初は母后ハフサ・アイシェのお気に入り。ヒュッレムと事あるごとに対立します。ヒュッレムを毒殺しようとしたことがバレてスレイマンとの仲が疎遠に。感情的になるあまり、思慮分別がつかなくなることも。シーズン2終盤では母后からも見放されますがムスタファの母という地位があるため依然として高い地位を保っています。

漫画では

愛称のギュルバハルと呼ばれることが多いです。地位は第一夫人(バシュ・カドゥン)。見た目はおっとりしているようで、裏では邪魔な妾を消していく策略家として描かれます。ヒュッレムも消そうとしますが、逆に手下をシャフィーク(ヒュッレムつきの宦官)に消されていくことに。

マヒデヴランについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
マヒデヴラン=ギュルバハル:息子を失った悲劇の皇帝妃

 

今回紹介したドラマと漫画

[wpap service=”with” type=”detail” id=”B07C5P4F1X” title=”オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~ シーズン1 DVD-SET 1 [DVD]”]

 

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