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オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレム の予備知識「オスマン帝国とは?」

オスマン帝国国旗

オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレムは面白いですね。トルコのドラマは日本ではあまり馴染みがありませんでした。でもトルコはドラマの輸出大国なんですね。オスマン帝国外伝も世界80カ国で放送されて8億人が見たといわれます。

しかもトルコ人の感性は日本人に近いと言われています。意外と日本人がドラマを見ても面白いと感じるのです。

単純にドラマとしても面白いのです。でもよくわからない単語が出てきて戸惑うこともあります。オスマン帝国といってもよくわからないし。いろんな国や人が出てくるし、オスマン帝国の文化もあまり知らないので分かりづらい。と思うこともあります。

そこで日本人には馴染みのないオスマン帝国やドラマに出てくる国や人々、文化について紹介します。

ドラマの背景がわかってるともっとドラマが楽しめるのは間違いありませんよ。

目次

オスマン帝国外伝とは

2011~2014年にトルコ共和国で放送されたテレビドラマ。
トルコ版の大河ドラマのようなもの。

シーズン1からシーズン4まで作られました。トルコでは放送が始まると街から人がいなくなると言われるほど人気があったそうです。

主人公はオスマン帝国皇帝スレイマン1世とヒュレム妃。
歴史上の人物や事件が描かれていますが、かなり脚色されている部分もあります。

トルコ語のタイトルは「Muhteşem Yüzyıl」発音は「ムフテシェム・ユズユル」
ドラマタイトルで出るのはこの名前。

英語では「The Magnificent Century」 

日本語訳は「壮麗なる世紀」。
壮麗とは「規模が大きい、立派で美しいこと」。

オスマン帝国皇帝スレイマン1世はヨーロッパで壮麗帝「the Magnificent」とあだ名されました。ヨーロッパ諸国からみてもスレイマン1世は偉大な皇帝だと思われていたようです。

だから番組タイトルもこうなったのでしょう。

オスマン帝国とは

ドラマの舞台になってるのはオスマン帝国。

13世紀から20世紀のはじめまで約700年続いた帝国です。

日本だと鎌倉時代後半から大正時代までです。

1299年。オスマン帝国の始まりは、テュルク人(現代のトルコ人の祖先)のオスマン1世がアナトリア半島(現在のトルコのあたり)に建国したこと。

オスマン帝国の国名は初代国王からなんですね。

東ローマ帝国や東ヨーロッパ諸国、エジプトから中東、西アジアを制服。巨大な帝国になりました。

とくに15世紀から16世紀は領土拡大が激しかった時期です。オスマン帝国の拡大は「オスマンの衝撃」といわれ、西ヨーロッパ諸国には衝撃を与えました。

最盛期のオスマン帝国領土はこのくらい広かったです。

オスマン帝国

首都はイスタンブル。コンスタンチノーブルともいいます。
現在でもトルコ共和国の首都です。

オスマン帝国の領土は現在の国だとトルコ、シリア、レバノン、イラク、イスラエル、サウジアラビア、エジプト、ハンガリー、コソボ、セルビア、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ、チュニジア、アルジェリア、キプロスなどが含まれます。

世界最大のイスラム教国としてキリスト教国とも戦いました。

一番領土が広かったのが16~17世紀。10代皇帝スレイマン1世から19代皇帝メフメト4世のころです。皇帝が中心になって積極的に領土拡大を行っていたのがスレイマン1世のころ。

つまり「オスマン帝国外伝」はオスマン帝国が一番華やかだった頃のお話です。

18世紀になるとロシアの力が強くなり、ロシアとの戦争に負けて次第に領土を失います。
ロシアのドラマ「エカテリーナ」で描かれるのはこの時代です。

19世紀になると各地で反乱が起きて属領が独立。

1922年。第一次世界大戦で負けたオスマン帝国廃止を決定。
トルコ共和国が誕生し、オスマン帝国は滅亡しました。

王家のオスマン一族は皇帝の座を追われましたが亡命して現在も続いています。

オスマン・トルコとは違うの?

古い教科書ではオスマン・トルコと呼ばれていました。現在は「オスマン」「オスマン帝国」と呼ぶのが普通です。というのもオスマン・トルコと呼んでいるのは現代人だけなのです。オスマン帝国の人たちは自分の国を「オスマンの国」とよび「オスマントルコ」とは呼んでいませんでした。

オスマン帝国の仕組み

皇帝の呼び方

オスマン帝国は皇帝(パーディシャー)が国のトップ。

オスマン帝国の皇帝はよくスルタンと呼ばれることがあります。でもスルタンは王族に対して使われる称号です。

人々が皇帝を呼ぶときはパーディシャーとかヒュンカールムといいました。日本だと「陛下」みないな意味です。ヒュンカールムは「我が君」という意味です。ドラマでもイブラヒムとか家臣がスレイマンを呼ぶときは「ヒュンカールム」と言ってますね。日本人の耳には「ヒュンカー」と呼んでいるように聞こえます。

公式な場面ではスルタン・スレイマン(皇帝の名前)・ハーンと言いました。こちらが皇帝を意味する称号です。ドラマでも会議の場面とか外国の要人との謁見の場では「スルタンスレイマン~」と言ってますね。字幕では「スレイマン皇帝陛下のお成り」と書かれている場面です。

パシャがたくさん、大臣たちの呼び方

皇帝の下に大宰相(サドラザム)が一人。宰相(ヴェズィール)が数人。他に財務長官(デフテルダル)やさまざまな官僚がいました。

大臣の名前につく称号は「パシャ」。だからイブラヒム・パシャと言ったりします。名前にパシャが付く人が何人もいるので混乱するかもしれません。パシャは名前ではなく称号なのです。「◯◯大臣」みたいな感じです。

スレイマン1世の時代までは皇帝が直接政治を行っていました。しかし息子のセリム2世は政治に関心がなく大宰相が政治をおこなっていました。その後も皇帝が政治を行うことは少なくなります。

オスマン帝国は皇帝の直轄地の他にたくさんの領地をもっていました。中央から役人が派遣されて治めている属領。自治権が与えられている属国がありました。

シーズン1の後半でエジプトで反乱が起こります。エジプト州はオスマン帝国の属領のひとつ。帝国から領主が派遣されて治めていました。このような属州がいくつもありました。

 

トルコのドラマということで日本人には分かりづらい言葉や歴史があります。ドラマそのものが十分面白いので細かいことがわからなくても楽しめるのですが。背景や言葉の意味を知るとさらにおもしろくなりますよ。

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