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ピョートル3世(ピョートル・フョードロヴィチ)ドイツかぶれのロシア皇帝

ロシア帝国

ピョートル3世(ピョートル・フョードロヴィチ)はロマノフ朝ロシア帝国の第7代皇帝。

ホルシュタイン(現在のドイツ北部)での生活が長くドイツ語を日常の言葉として育ち、プロイセン王フリードリヒ2世を尊敬していました。

子供っぽい性格で、精神的に問題があったとも。男性機能に問題があって子供が作れなかったともいわれますが、その多くが反乱を起こしたエカテリーナ派の流した噂なので本当のところはよくわかりません。

しかしドイツかぶれのピョートル3世はロシア国内ではあまり人気がなかったようです。

ピョートル3世とはどんな人だったのでしょうか。

目次

 ピョートル3世(ピョートル・フョードロヴィチ)とは

名前:ピョートル3世(Pyotr III)
ロシア語名:ピョートル・フョードロヴィチ
ドイツ語名:カール・ペーター・ウルリヒ(Karl Peter Ulrich)

地位:ロマノフ朝ロシア帝国皇帝
生年:1728年
没年:1762年
在位:1762年1月5日~1762年7月17日
父:カール・フリードリヒ
母:アンナ・ペトロヴナ(ロシア皇帝ピョートル1世の娘)
子:

日本では江戸時代になります。

1728年。カール・ペーター・ウルリヒ(後のピョートル3世)はホルシュタインのキール(現在のドイツ北部)で産まれました。

父:カール・フリードリヒは、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン公国の領主。スウェーデン王家の一員でした。シュレースヴィヒ=ホルシュタイン公国は現在のデンマーク南部からドイツ北部にあった国です。シュレースヴィヒをデンマークに奪われ。その後、ロシアに移住していました。カール・フリードリヒはサンクトペテルブルグで近衛隊長や最高枢密院議員をつとめました。

母:アンナ・ペトロヴナはロシア皇帝ピョートル1世の娘です。アンナはカール・ペーター・ウルリヒを出産後に死亡しました。

幼少期はホルシュタインで暮らしました。

1739年。11歳のとき父カール・フリードリヒが死亡しました。

1742年。14歳。叔母でロシア皇帝のエリザヴェータから後継者に指名されました。サンクトペテルブルグに移住してロシア正教に改宗。名前をピョートル・フョードロヴィチと変えました。

1745年。17歳。父方の親戚だったエカテリーナ・アレクセーエヴナと結婚しました。

二人ともドイツ語を話すことができたので日常会話はドイツ語でできたといわれます。

しかしエカテリーナとの関係はうまくいかず、エカテリーナは愛人を作りました。フョードロヴィチもミハイル・ヴォロンツォフ伯爵の姪エリザヴェータ・ヴォロンツォヴァと親しくなりました。

プロイセン(ドイツ)に対抗心を持つエリザヴェータ女王や貴族たちとは意見があわず、対立することもありました。

ロシア皇帝ピョートル3世

1761年。エリザヴェータ女王が死去。ピョートル・フョードロヴィチが即位しました。ピョートル3世と呼ばれます。

ピョートル3世は、エリザヴェータの時代から行っていたプロイセンとの戦争をやめ、フリードリヒ2世と和睦しました。ロシアの勝利まであと一歩のところまで追い詰めていたにもかかわらずピョートル3世は軍隊を引き上げて休戦します。占領した領地をプロイセンに返し、も賠償金もとりませんでした。勝てる戦争を帳消しにしてしまったピョートル3世に対してロシア国内では不満が高まりました。

さらに、プロイセンと同名を結び、軍隊をプロイセン式に変えました。

また、ピョートル3世はロシア正教をプロテスタント式に変えようとしました。ピョートル3世はもともとロシア正教には馴染みがなかったのです。

ピョートル3世は父の代で失っていたシュレースヴィヒ領の奪回を目指しました。

1762年6月25日。プロイセンよりの政治を行うピョートルに対してプロイセンロシアの貴族たちの不満が爆発します。

エカテリーナを味方にした近衛部隊が反乱を起こしました。ピョートル3世は捕らえられ、首都高ギアのロプシャに軟禁されました。監視役のアレクセイ・オルロフによって処刑されました。在位期間はわずか6ヶ月の短い皇帝でした。

クーデターや暗殺は公表されず、公式的には「持病の時の激痛による発作で死亡」と公表されました。

貴族たちはエカテリーナを次の皇帝にしました。それがエカテリーナ2世です。

ピョートル3世の政治はドイツ嫌いのロシア貴族には不評でした。しかしピョートルが行ったプロイセンとの同盟はエカテリーナの時代も続けられました。教会の領地を国有化する政策もエカテリーナの時代に引き継がれました。

ドイツかぶれということで個人的な評判はあまり良くありませんでしが、意外とピョートルの行った政治が受け継がれている部分もあります。

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