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フィリッポス3世(アリダイオス)アレクサンドロスの異母兄は王位争いの犠牲になった

マケドニア

フィリッポス3世はマケドニアの国王。
若い頃の名前はアリダイオス。

アレクサンドロス3世(アレキサンダー大王)の異母兄です。

息子を王にしようとするオリュンピアスに毒殺されそうになります。命は助かりましたが障害が残り王位継承争いから脱落します。しかしアレクサンドロス3世には後継者がいなかったので、彼の後をついで国王になりました。しかしその後の混乱でオリュンピアスによって処刑されました。

 

目次

アレクサンドロス3世の史実

名前:フィリッポス3世、アリダイオス
地位:アルゲアス朝マケドニア王国国王(バシレウス)
生年:紀元前359年
没年:紀元前317年
父:リッポス2世
母:ピリンナ
妻:エウリュディケ2世

父はマケドニア国王フィリッポス3世。母はラリサ出身の踊り子ピリンナ。ピリンナは正妻ではなかったので、アリダイオスは庶子あつかいでした。

アレクサンドロスが有力な王位後継者だったので、アリダイオスは目立った存在では有りませんでした。

ところがフィリッポス3世とオリュンピアス、アレクサンドロスの仲が悪くなり、オリュンピアスはアレクサンドロスを連れて実家のあるエピロスに戻ってしまいました。

マケドニアでは有力な王位後継者がいなくなったので、アリダイオスが王位後継者として注目を集めました。

オリュンピアスはアレクサンドロスの王位継承の邪魔になると考え、アリダイオスに毒をもりました。アリダイオスは命は助かりましたが毒の影響で知的障害が残ってしまいます。

アリダイオスは王位後継者から脱落していしまいた。

その後、アレクサンドロスがマケドニア国王になります。アレクサンドロスが在位中は宮廷にいましたが目立たない日影の存在でした。

紀元前323年。ところがアレクサンドロスは後継者を残さないまま病死してしまいます。

マケドニアの将軍たちは次の国王を決めるためバビロニアに集まって会議をひらきました。アレクサンドロス3世にはヘラクレスという息子が生まれましたが、妾との間に生まれた子なので庶子だとして支持がえられませんでした。

正妻ロクサネは妊娠六ヶ月だったのでまだ子供が生まれていません。とりあえずロクサネの子が生まれれるまで待とうという意見もありましたが、ロクサネはギリシャ人ではなかったので反対意見もありました。

結局、アレクサンドロスの異母兄のアリダイオスが次の王に選ばれます。

国王フィッポス3世

将軍のメレアグロスが後見人になって権力を握ります。メレアグロスに反対するペルディッカスが兵をあつめて戦いになりそうになりましたが、アリダイオスが説得して辞めさせました。

しかし数日後、ペルディッカスの策略でメレアグロスが粛清されます。

ペルディッカスが主導権を握り帝国は将軍たちによって分割統治されることになりました。

マケドニア王にはアリダイオスが即位することになり、ロクサネに男子が生まれればロクサネの息子に譲ることになりました。

アリダイオスは父の名を受け継ぎフィッポス3世として即位しました。同時に、王族の血を受け継ぐエウリュディケ2世と結婚します。

その後、ロクサネは男子を出産。生まれた子はアレクサンドロス4世と名付けられました。

 

フィリッポス3世はアレクサンドロス4世の共同統治者になりました。

しかしペルディッカスがアレクサンドロス4世の後見人になって政治を行ったので、フィリッポス3世は名前だけの王でした。

将軍のクラテロスがフィリッポス3世の後見人になりました。クラテロスは人望もありましたが、後継者をめぐる将軍たちの闘いは続きました。(ディアドコイ戦争)

紀元前321年にクラテロスがヘレスポントスの戦いで戦死。有力な後見人を失ったフィリッポス3世はマケドニア本国に移されます。

マケドニアの内乱でオリュンピアスと対立

ところがマケドニアでは摂政の座を巡ってカッサンドロスとポリュペルコンが争いをはじめました。

ピリッポス3世の妻エウリュディケ2世はカッサンドロスと組んで権力を伸ばそうとしました。夫のフィリッポス3世には知的障害が残っていたため自分が政治をしようと思ったのです。

ポリュペルコンはオリュンピアスと手を組みました。

エピロスに帰っていたオリュンピアスは孫のアレクサンドロス4世の王位を確実にするためポリュペルコンを組みました。

オリュンピアスが兵を率いてマケドニアに戻ってくると将兵たちはフィリッポス3世とエウリュディケ2世を見捨ててオリュンピアスの味方になってしまいました。フィリッポス3世とエウリュディケ2世はオリュンピアスに捕まり幽閉されます。

まず先にフィリッポス3世が処刑され、エウリュディケ2世も続いて処刑されてしまいます。

 

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